小豆じまん

2019年12月29日

和食のプロが伝授する素麺の出汁と讃岐うどん出汁

讃岐うどんの出汁と素麺出汁の違いのお話ですが、そもそも出汁とは何を指しているのか。
香川県の人はつゆのことを出汁と言います。
一般的に出汁と言えば、煮干しや鰹節、昆布を煮出した汁のことで、醤油などの調味料が入る前の状態のことを言うことがほとんどです。
ということで、うどんつゆと素麺つゆの違いについてご紹介します。

香川県の人が「つゆ」と言えば、釜揚げうどんやざるうどんの時に使う「つけつゆ」のことを言います。
かけうどんの「つゆ」は「出汁」と言います。
そしてつゆは飲まない、出汁は飲むという感覚が香川県内では一般的と言えます。

しかし「つゆ」と「出汁」の感覚、飲む、飲まないの感覚は、関東と関西でも違いますし、
同じ香川県内の人の間でも意見は様々です。
うどんつゆで素麺を食べても違和感はないですし、素麺つゆでうどんを食べてもおいしく頂けることでしょう。

そのようなことも踏まえて、うどんつゆと素麺つゆを作るときの材料から違いを探してみましょう。

◎つゆの素となる出汁の材料が違う!?
うどんつゆと素麺つゆの違いは出汁そのものの違いがありますが、出汁の使い方も違います。

讃岐うどんのつゆの出汁は、かけうどんのつゆとつけつゆに使う出汁はイリコ出汁が基本です。
かけうどんと、ざるうどんや釜揚げうどんのつゆとの違いは醤油の違いです。
かけうどんのつゆを作るときは薄口醤油。
つけつゆを作るときは濃い口醤油を使います。

素麺つゆの出汁はつゆが薄まっても美味しいようにと、昆布を中心に節系の材料で出汁を取ります。
あるメーカーーさんの麺つゆと素麺専用のつゆの材料を比較すると、昆布エキスは両方に使用されていました。
違いはサバやウルメイワシで出汁を取っていたことです。
サバ節で出汁を取ると甘みやコクが増します。
ウルメイワシもサバと同じく、甘みやコクのある出汁がとれます。
甘みやコクのある出汁でつゆを作ると、最後の一滴まで飲み干せるような優しい風味のつゆとなります。

かけうどんのつゆや素麺のつゆは出汁の風味を生かすために、薄口醤油を使います。
ぶっかけうどんやつけつゆの場合は濃い口醤油を使いますが、醤油の量もかけうどんや素麺つゆを作る時より多めです。

◎讃岐うどんの基本だし
イリコ出汁は讃岐うどんだけでなく、素麺の出汁として食べても美味しいです。
・水1リットル
・イリコ25g
・昆布25g
・かつお節30g
・塩一つまみ
①昆布とイリコは水に1時間以上浸してから、火にかける
②沸騰直前でイリコと昆布を取り出し弱火にする
③かつお節を入れて5分煮て、かつお節が沈むまで待つ
④布などでこし、塩を一つまみ入れる

〇簡単☆素麺つけつゆレシピ(4人分)
◎基本だし200㏄
・薄口醤油100㏄
・みりん100㏄
・砂糖小さじ1
・かつお節一つまみ
①出汁、薄口醤油、みりん、砂糖を鍋に入れ、煮立たせて冷やす

〇簡単☆素麺かけつゆレシピ(4人前)
◎基本だし650㏄
・薄口醤油大さじ2
・みりん大さじ2
①小鍋などでみりんのアルコールを飛ばし、出汁と醤油を加え冷蔵庫で冷やす

〇簡単☆讃岐うどんかけつゆレシピ
◎基本だし1リットル
・薄口醤油45㏄
・塩5g
①材料を混ぜて火にかけるだけ。あまりに立たせないように注意。

〇簡単☆讃岐うどんつけつゆレシピ
◎基本だし500㏄
・濃い口醤油500㏄
・砂糖10g
・みりん10㏄
・塩5g
①材料を鍋に入れ加熱する。
②アクをこまめに取り、沸騰直前で火を止めて熱が取れるのを待つ

うどん用のつゆも素麺用のつゆもそば用のつゆも、基本は何に使っても美味しいつゆです。
麺類以外にも煮物などで使っても美味しいです。
讃岐うどんの基本の出汁は色々な料理に使えるので、大量に作って冷蔵庫で保存することをおすすめします。

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