2020年3月19日
日本三大素麺「小豆島素麺」「播州素麺」「三輪素麺」
日本三大素麺「小豆島素麺」「播州素麺」「三輪素麺」
全国各地に素麺の産地があるのはご存じでしょうか?
北から、岩手県の卵面、宮城県の白石うー麺、富山県の大門素麺、愛知県の和泉素麺、三重県の大矢知素麺、奈良県の三輪素麺、兵庫県の播州素麺、岡山の備中素麺、山口の菊川素麺、香川県の小豆島素麺、愛媛県の五色素麺、徳島県の半田素麺、佐賀県の神崎素麺、長崎の島原素麺、熊本の南関素麺、など有名な産地がたくさんあります。
そのなかでも日本三大素麺といえば、香川県小豆島の小豆島素麺、兵庫県南西部の播州地方の播州素麺、素麺発祥の地とされる奈良県桜井市の三輪素麺です。
数ある産地の中から選ばれた、三大素麺の歴史についてご紹介します。
◇香川県小豆島「小豆島素麺」
小豆島に手延べ素麺の作り方が伝えられたのは400年以上前と言われています。
小豆島の島民が奈良県に立ち寄った際に製造技術を学んで、島に持ち帰ったとされています。
素麺作りは農作業の仕事が暇な冬の寒い時期に行われ、また人手もそれほど必要ないことからあっという間に小豆島内に広がったそうです。
しかも小豆島は小麦の栽培に適した気候であり、瀬戸内海で取れる塩があり、素麺を作る時に使うごま油も豊富にあるなど、素麺づくりには最適な土地柄でした。
小豆島で素麺を作る職人さんは昔からの作り方を大切にし、今でも伝統的な手延べ製法で素麺をつくっているのです。
「小豆島素麺」の特長
一番伸びにくい素麺と言われているそうなので、最近流行りのお弁当を素麺にするときは小豆島素麺を選ぶとよいかもしれないですね。
コシが強いけれど、硬いのではなくもちもちとした食感が楽しめます。
◇兵庫県南西部「播州素麺」
兵庫県南西部の播州(ばんしゅう)地方にある揖保川(いぼがわ)流域が播州素麺の生産地です。
播州素麺のなかでも「揖保乃糸(いぼのいと)」は全国的にも有名で人気のある手延べ素麺ブランドです。
播州地方では1400年代には“ソウメン”の記述が古文書に残されているそうです。今から600年以上も前ですね。
本格的に作られるようになったのは江戸時代からで、「揖保乃糸」ブランドが生まれたのは1800年代に入ってからです。
生産量が増えるにつれて質の悪い素麺が出回るようになり、信用問題にまで発展しました。
そこで素麺の品質を守るための取り決めを交わし、後に揖保乃糸ブランドが誕生したのです。
「播州素麺」の特長
三大素麺の中では一番面が細く、つるっとした喉ごしの良い食感が特徴的です。
細い素麺が好きな人は揖保乃糸を好む傾向にあります。
ほのかに感じる甘みもあり小麦の美味しさも感じることができます。
◇奈良県桜井市「三輪素麺」
麺の食文化のルーツは素麺ともいわれています。
そんな素麺の歴史は奈良県桜井市で始まります。
今から1200年以上も昔に日本最古の神社で神の啓示により生まれました。
三輪の里に小麦を作り、収穫した小麦を粉にして水でこねて延ばし糸状にしなさいという教えがあったのだとか。
それから伊勢参りに訪れる人々をとりこにし、各地に伝わったとされています。
江戸時代には既に「日本一の三輪素麺」になっていたという記録も残っています
「三輪素麺」の特長
三輪素麺も強い腰が特徴的な素麺です。
三輪素麺には4つの等級があり、素麺が細いほど等級が高くなります。
最高等級よりさらに細い素麺があります。
通常1束当たりの素麺の本数が約80本、最高級よりさらに細い素麺は1束当たり150本にもなるそうです。
そうめん、うどんなど麺好きで、食べ歩きが趣味の体育会系男子。日本三大素麺の1つ「小豆島そうめん」や香川県の特産品「讃岐うどん」など「麺」に関する記事を書いています。