小豆じまん

2020年3月22日

映画「八日目の蝉」で再現!中山虫送りの歴史と参加方法

皆さんは小豆島で行われる「中山虫送り」をご存知でしょうか。中山虫送りとは、たいまつをかざして島民たちが並んで歩いて行く伝統行事です。この中山虫送りは、2010年に話題を呼んだ「八日目の蝉」という映画で、このシーンが出たことによって注目を集めました。今回はそんな中山虫送りの歴史と中山虫送りに参加する方法について解説していきます。

虫送りの歴史

虫送りという伝統行事は、小豆島だけでなく日本各地で昔から行われていました。虫送りが行われるようになったのは、戦国時代中期に当てはまる16世紀の初め頃だと言われています。さらに、俳句では「虫送り」という言葉は俳句の季語としても使われていることから、全国的に虫送りが普及していたことがわかります。

虫送りが行われる理由は、豊作を祈るためです。日本の農業では古代の時から、害虫に悩まされることが多々ありました。そこで農作物を食い散らかす害虫を駆除・駆逐されることを祈るために行われるようになったのがこの虫送りです。

一部地域の虫送りは国指定文化財として登録されています。

中山虫送りの歴史

小豆島の中山虫送りは300年以上の歴史を持っています。小豆島のこの地域で虫送りが行われるようになったきっかけは江戸時代に起きた大飢饉だと言われています。1661年の日本では、イナゴが大発生したことにより作物が枯れ、100万人近い人が餓死しました。

小豆島もその影響を受けましたが、イナゴによる大飢饉を何とか防ごうと、虫送りが行われるようになりました。
「八日目の蝉」がきっかけで中山虫送りが有名に
小豆島は島の人口が減ったことにより、中山虫送りへの参加者も年々減り続けていました。しかし、その現状を変えたのが2010年に話題になった「八日目の蝉」という映画です。この映画の重要なシーンで、虫送りが行われたことによって中山虫送りへの注目が集まりました。

それによって中山虫送りの参加者が2倍になり、再び活気が取り戻されました。

棚田百選にも選ばれている「中山の千枚田」

ここまでの説明で中山虫送りの歴史と中山虫送りがどれだけ注目されているかということについて説明してきましたが、注目ポイントはそれだけではありません。もうひとつのポイントは、中山の千枚田の絶景です。

虫送りが行われる時に、8.8ヘクタールの丘陵地に700枚を超える大小の棚田が広がる中山千枚田と呼ばれる場所を通ります。

この場所は南北朝時代から江戸時代中期に渡って造られた言われていて、先人たちが急な斜面にもかかわらず地道に石積みをして出来上がりました。この中山千枚田は農業の後継者が不足している中でも守り続けられています。

中山虫送りの参加方法とアクセス

中山虫送りは7月の上旬に基本的に行われ、一般の人でも参加することができます。しかし、火手(ほて)と言われる松明の数に限りがあるので早めに申し込むようにしましょう。

【基本情報】
住所:香川県小豆郡小豆島町中山地区中山千枚田(小豆島霊場第44番札所湯船山〜中山春日神社)
日程:7月上旬 18:30より湯船山にて祈祷 ※当日、先着順で虫送り参加可能(受付17:30〜18:00、集合場所、湯川ダム下公園)
お問い合わせ:小豆島町役場商工観光課
TEL : 0879-82-7007

小豆島へ行く予定のある方はぜひ参加しましょう!
1年の限られた時期にしか行われていない行事なので、スケジュールを合わせるのが難しいですが、もし参加できそうな方はぜひ参加してみましょう。この行事に参加すれば、他の観光客があまり体験したことないことを体験できるだけでなく、現地の人たちと仲良くなれる可能性もあります。

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