小豆じまん

2020年2月14日

330年以上も受け継がれている「肥土山農村歌舞伎」の歴史

小豆島は色々な特産物で知られていますが、肥土山農村歌舞伎をご存知でしょうか。肥土山農村歌舞伎とは江戸時代の頃に作られた小豆島の伝統的な芸能です。実際現在でも小豆島では肥土山農村歌舞伎が年に1回上演されています。今回はそんな肥土山農村歌舞伎の歴史と肥土山農村歌舞伎にまつわる観光地について紹介していきます。

小豆島へ旅行に行く予定のある方はぜひ最後までご覧ください。

肥土山農村歌舞伎の歴史

肥土山農村歌舞伎が誕生した理由は、当時小豆島が抱えていた水不足問題と関係しています。江戸時代前期の頃、肥土山農村歌舞伎が生まれた小豆島の土庄町は水不足で多くの農民たちが苦しんでいました。

そのため、土庄町で大きなため池が作られることになりました。池が完成した後、島人たちは肥土山離宮八幡神社の近くに小さな小屋を建て歌舞伎を購入したのが、肥土山農村歌舞伎の始まりだといわれています。

きっかけは異なりますが小豆島では、このように多くの地域で様々な種類の歌舞伎が誕生しました。しかし、江戸時代には様々な伝統芸能があったにもかかわらず、現在小豆島で残った伝統芸能はこの肥土山農村歌舞伎と中山農村歌舞伎の2つです。

ちなみに、肥土山農村歌舞伎にはもう1つの醍醐味があります。それが「わりご弁当」です。割盒(わりごう)とは木で作られたお弁当箱のことを表し、大きな木で作られた箱の中に小さなお弁当箱がいくつも入っています。そのため、大量のお弁当箱を同時に運ぶことができるお弁当です。

このお弁当は、親戚や友人で集まる時や歌舞伎を演じる役者や裏方の人の差し入れとして使われる場合が多いです。

肥土山農村歌舞伎の特徴

肥土山農村歌舞伎の特徴は5ヶ月以上かけて、話し合いや練習が繰り返されることです。肥土山農村歌舞伎は肥土山地区の住民たちが順番に担当していく輪番制で運営されています。まず年明けに行われるのが役職決めです。そして、2月には演目と出演者を決め、上演される5月3日まで猛練習をします。

さらに、上演が終わった後は「どうやぶつ」という打ち上げが行われます。本格的に練習が行われるのは3月中旬からなのですが、そこで「練り固め」と起集会が行われます。この練り固めは別名地獄めしとも言われていて、過酷な練習が連日連夜続きます。
中山農村歌舞伎と肥土山農村歌舞伎の違い
上記で少し説明しましたが、小豆島には中山農村歌舞伎と肥土山農村歌舞伎の2種類の歌舞伎があります。この2つは一見同じなように見えますが、歌舞伎ができたきっかけが異なります。

中山農村歌舞伎が行われるようになったきっかけは、昔お伊勢参りに出かけた小豆島の島民が上方歌舞伎のシーンが描かれた絵馬や衣類を持ち帰り、振袖師や旅回りの一座を招いて島民たちで歌舞伎を演じるようになったことだと言われています。さらに、中山農村歌舞伎は国重要有形民俗文化財に指定されていて、720点以上の衣装や大道具が収められているとても歴史のある伝統芸能です。

ぜひ一度足を運んでみましょう
ここまで肥土山農村歌舞伎の歴史と特徴について話してきましたが、肥土山農村歌舞伎は他のところでは味わえない唯一の伝統芸能です。肥土山農村歌舞伎は5月3日にしか行われないので、スケジュールを合わすことは少し難しいと思いますが、舞台の近くだけでも行ってみましょう。

【基本情報】
住所:〒761-4388 香川県小豆郡土庄町肥土山
期間:毎年5月3日 15:30〜20:00
アクセス:土庄港から小豆島オリーブバス奥中山行き肥土山農村歌舞伎前下車
お問い合わせ:土庄町教育委員会生涯学習課 TEL.0879-62-7013

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