2020年2月25日
70年以上の歴史を持つ小豆島の佃煮の歴史と観光スポット
長い歴史を持つ小豆島の佃煮。実際に調べようとすると、多くの情報が出てくるので情報を得るのに時間がかかってしまいます。そのため、今回は小豆島の佃煮の歴史についてわかりやすく解説していきます。
後半には小豆島のおすすめの佃煮店を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
日本の佃煮の歴史
日本の佃煮の歴史は諸説あると言われていますが、その中でも特に有力だと言われているのが、漁師の常備食だったという説です。その説によると佃煮が食べられるようになったのは江戸時代の頃です。
当時将軍だった徳川家康は、摂津国の佃村の腕の立つ漁師を江戸に呼び寄せました。その佃村から来た漁師たちは悪天候で漁に出れないせいで食料不足になった際に困らないよう、小魚や貝類を油で煮詰めて保存していました。
そして、その油詰めにされた小魚や貝が、ある日たまたま大量に作り出されたため、江戸にいる一般の人たちに向けて販売されるようになりました。この時に江戸全体に初期の佃煮の存在が知れ渡ったと言われています。さらに、当時は多くの武士が参勤交代で地方から江戸に来ていたため、その帰り道にお土産として油詰めにされたこ魚や貝類を持ち帰ったことによって、全国に広まったと言われています。
それから、明治に起きた西南戦争の時には、政府軍が軍用食として大量の佃煮の製造を命じました。さらに、日清戦争の際も大量に佃煮が製造され、戦後帰還した兵士たちが日常食として佃煮を食べるようになりました。
小豆島の佃煮の歴史
小豆島の佃煮の起源は1945年だと言われています。小豆島で佃煮が作られるようになったきっかけは当時の時代背景と関係しています。戦前の頃小豆島では塩や醤油を特産品として積極的に生産し、他の県にも配送していました。
しかし、戦後に入ると醤油の原料の入手が難しくなったことによって、特産物である醤油の生産が困難になりました。そこで新しく生産されるようになったのが、醤油の技術を生かすことができる佃煮です。
小豆島で初めて作られた佃煮は、芋を地元の醤油で炊き上げた葉柄佃煮(ようへいつくだに)だと言われています。その佃煮を一部の企業が生産し成功したことによって、島をあげて佃煮作りが行われるようになりました。
小豆島佃煮にまつわる観光スポット
小豆島食品株式会社の工場見学
創業30年を超える小豆島の老舗の佃煮企業。創業当初は色々な佃煮の作り方に挑戦し、何百回と失敗してきたそうです。そんな小豆島食品株式会社では工場見学を一般の人々に行っています。
コースは「見るコース」、「見て作るコース」、「佃煮三昧コース」の3つです。まず1つ目の見るコースは佃煮の歴史、生産環境、工場の設備の説明を受けることができるコースで所要時間は約2時間です。
次に見て作るコースは見るコースの内容に加え、実際に佃煮作りを体験することができます(所要時間約4時間)。最後に佃煮三昧コースは所要時間が約5時間とかなり長いですが、全てのコースの内容を行うだけでなく、最後に自分たちで作った佃煮を一緒に食べることができます。
これらの工場見学は全て無料で行われているので、興味のある方はぜひ行ってみましょう。
【基本情報】
住所:香川県小豆郡小豆島町草壁本町491-1
料金:無料(なお工場見学に参加した人に限り、島内限定の商品や全国販売の商品を特別価格で購入することができます。)
見学可能時間:10:00~17:00、土日祝日及び、営業生産日を除く日
公式ホームページ:http://shodoshima-shokuhin.co.jp/factory.html
タケサン記念館(一徳庵)
こちらは小豆島の佃煮産業の発展に大きく貢献したと言われている武部吉次(たけべよしじ)の偉業を称えるために作られた記念館です。
こちらの記念館では小豆島で昔から使われている醤油蔵や現在の佃煮工場の製造過程を見ることができます。
お土産販売コーナーも近くにあるので、記念館を楽しんだ後にそのままお土産を買うことも可能です。
【タケサン記念館の基本情報】
住所:〒761-4421 香川県小豆郡小豆島町苗羽甲2211
アクセス:小豆島草壁港からオリーブバス坂手線坂手港行き(10分)
バス停「芦の浦」下車。徒歩すぐ
営業時間:9:00~17:00
公式ホームページ:https://ittokuan.com/
歴史、観光名所巡り好きでいつもカメラを持ってる歴史オタク男子。小豆島の歴史や観光スポットに関する記事を書いています。